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2017年3月4日土曜日

モンパレ 1%×100と10%×10の違い

運よく予約キャンセルによりニンテンドースイッチの入手に成功。
ドラゴンクエストヒーローズを買ってプレイしはじめたんだが…。

少し前の記事で、確率に関して起こりにくいほうがどれくらいの確率で起こるのか、というものについて検証した。しかし我の場合、その結構な高確率に見事失敗した。体感では、明らかに1/100を100回行ったのと、1/10を10回行った場合、期待値が同じといえども、同じ結果になりそうなことは予想しづらい。一応期待値は共に1であるが、前者が起こった回数が1以上となる確率は63.4%であり、後者が起こった回数が65.1%となり、結局のところ外れる(=1回も起こらない)確率は前者が36.6%で後者は34.9%。これが意味するところはたとえばこんな状況があったとする。

前提条件 SSモンスターが最低でも1体欲しい。

ガチャ1 1回100円でSSを引ける確率が1%
ガチャ2 1回1000円でSSを引ける確率が10%

期待値ではどちらも10000円で1体ということになる。
だが実際、これに10000円を投資する場合、ガチャ1でSSを引ける確率は63.4%で、ガチャ2でSSを引ける確率は65.1%となり、後者のほうがお得、ということになる。

しかし期待値的には、どちらも等しいので、このような差がでることはおかしいので、一見矛盾しているように見える。だが実際、期待値はやはり全事象を考えてのものなので、上記の結果からは、ガチャ1は引けない確率は大きいが、1個以上当たるとなれば引ける個数の期待値は大きくなるはずである。いわゆるハイリスクハイリターンと呼ばれるもの。
この直感的な理解は、たとえばガチャ1ならば最大100個手に入れられるがガチャ2では最大10個、ということでわかるだろう。なにしろガチャ1はガチャ2ではない11~100個あたるというポテンシャルを秘めているのだから。まあ下に記す確率のように超低確率だが。
実際、1個以上当たる確率はどうなっているのか。
ガチャ1でn回当たる確率は100Cn(0.99)^(100-n)*(0.01)^n
ガチャ2でn回当たる確率は10Cn(0.90)^(10-n)*(0.10)^n
      当たり0 当たり1 当たり2 当たり3 当たり4 当たり5 当たり10       当たり100
ガチャ1 36.6%  37.0%  18.5%  6.10%  1.50%  0.290% 0.00000701%    10^(-198)%
ガチャ2 34.9%  38.7%  19.4%  5.74%  1.12%  0.149% 0.000000009%    ---
ということになっている。
ガチャ2では、確かにSSを引ける確率は大きい。だが、もしSSが引けた場合、どれくらい来るのか、ということが問題になる。最低1体という条件の下ならばガチャ2のほうがお得という結果になる。
だが仮にSSが引けた場合、どれくらいの期待値なのか。
条件付確率なので、上の表は、SSが出たという条件下では以下の表になる。
     当たり1 当たり2 当たり3 当たり4 当たり5 当たり10       当たり100
ガチャ1 58.4%  29.2%  9.62%  2.37%  0.457% 省略         省略
ガチャ2 59.4%  29.8%  8.82%  1.72%  0.223% 省略          ---
となる。そこで、各ガチャの上記の表における期待値をやはりアレに計算させる。
    100
1式はΣn*(100!/(n!(100-n)!)(0.99)^(100-n)*(0.01)^n)/(1-0.99^100)
     n=1
2式は  10
     Σn*(10!/(n!(10-n)!)(0.90)^(10-n)*(0.10)^n/(1-0.90^10)
     n=1
を計算することになる。1式は1.5773...で、2式は1.53533...という値を示した。
これにより、1個以上当たった場合は、ガチャ1のほうがわずかに得(0.04個分くらい)であるということが判明。これにより期待値の整合性が保たれたことになる。このわずかにしか得にならないのは、0個での損得もわずかであるという理由に起因する。
ちなみになんと有理数で1式と2式の値が求まったので、ついでに貼り付けておく。

それぞれの式と値は
 

ちなみに上の表では、近似しようとして、n=1,2,3くらいの足し合わせしか行わなければ、実は2式の値のほうが大きくなるという罠に引っかかってしまう。実際こちらも結論を出すために近似を行うと
2式の値のほうが大きくなり、理論的に誤りが発生するため少々苦労した。

なので、結論。期待値が同じでも、それに関する確率が低く、その分たくさんの試行をする、という状態(ガチャ1がその例)になればなるほど、その確率の事象が起こらない確率は大きくなるが、
いったん起こった場合はその期待値は大きくなる。
つまり、「限られた試行数」の中で、大負けしてもいいのでたくさんのSSで一攫千金を狙うなら若干はガチャAの方がお得である、という結論に至るが、我々のようなモンパレでとりあえず観賞目的、育成目的で最低1体、というような場合はガチャ2のほうが得であるという結論に至った。
おそらくこの結論で間違いはないはずだが、これをやったからとて我は責任は取らんぞ。

商売方法としては、レアなモンスターで一体でも取っておきたいという場合はあえて期待値が同じなように見せかけて実際はあまりあてさせようとしないガチャ1型を選ぶのだろう。どうりで10%の迷宮の門は結構あたりやすいのに1%のチョコヌーバはスカウトできないわけだ。まあ実際その差は2%程度なのでなんともいえんが。