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2023年5月5日金曜日

確率機とは何か

 たぶんこのブログの記事を見ていたらそれよりはるかに詳しい裏事情ばかり書かれていると思うが、ここではまず簡単に確率機について説明し、徐々にコアな内容に入っていく。

まず、結論から言うと確率機は「一定の金額を入れるとアームパワーが強くなり、景品を入手できる確率が大幅にあがる」筐体のことである。

100円ごとに取れるかどうかが確率により抽選される、という意味ではない。すなわち確率機の確率とは、数学的な確率とはまったく違う概念である。もちろん測度論的な厳密な確率の定義でもない。

自身もクレーンを始めた当初は持ち上げている途中で景品を離したり、最高点に達したときに景品を離すことがあり、これが衝撃などに起因する自然なものだと考えていた時期があった。しかしこれは景品が「重い」と見せかけた、すなわち仕組まれた動きなのである。

「一定の金額を入れるとアームパワーが強くなる」というのは、店舗側が所定の金額を設定し、それに達すればアームパワーが強くなり、うまくつかんだ場合に景品が落ちなくなり、そのまま落とし口まで運んでくれて景品GETになる、というものである。以後そのような状態になったことを確率到達と呼ぶことにする。

その所定の金額、というのは店舗側が自由に設定でき、当然公表はしない。しかし我の経験上、800~5000円の範囲内にほぼすべてが収まると考えてよい。

もちろん高級な景品ほどその金額(以降、設定金額という)は高い傾向があるが、大事なのはそこではない。店舗ごとでその金額設定が大いに異なるという点である。

例を挙げるならばビッグクリアフィギュアの設定金額は、若干のブレ(数百円)はあるが、

倉庫系(万SAI堂、お宝中古市場、お宝市番館、開放倉庫など)は1000円~2000円付近

セガ、ナムコは4000円

サープラは5000円

というような具合である。

ただしこの設定金額、というのは自分だけでなく当然他の人もプレイした累計で判断されるため、前の人が設定金額3000円に2900円使って取れずにやめた場合、次の人は設定金額まであと100円なので、見かけ上100円で入手できるということになる。しかしながらその後は設定金額がまた3000円にリセットされるので、3000円入れなければ取ることはできない。

リセットというのは、景品が獲得口に落ちたことを判定するセンサーによって行われる。例えば「プライズをゲットしました」「おめでとう」「コングラッチュレイション」「ピロリん(効果音)」「(ファンファーレ音)」などによってそれが知らされる。ちなみにその演出が全筐体でリンクするような設定もでき、もちろん音量も調節可能である。

ここまでくると、確率機は「所定の金額まで景品は入手できない」というイメージになるが、実はそうでもない。「確率無視」と呼ばれる、設定金額に到達する前に景品を入手できる場合があるのである。それはタグかけやつまみよせ、ぶっさし、ちゃぶ台返し、ディスプレイ落とし、放り投げなどさまざまな技によってなされるが、これを説明するのはyoutubeに大量に上がっているクレーンゲームの動画に任せるとする。

こういった技により確率無視に成功し、景品を早く獲得できたとする。すると筐体は設定金額を回収できていないため、以後それを回収する挙動に出ることがある。たぶんそうではなくただ単にリセットされるだけの筐体もあったはずだが、そこそこの筐体でその分が持ち越されるパターンが多いようである。

例えば設定金額3000円で、1個目を1000円で入手したならば、筐体は2個目の獲得に至るまでに6000円を得ていなければならないが5000円不足している。するとその5000円が、次景品を取るのにかかる料金となるのである。こうなると非常に厳しい戦いを強いられることとなる。景品がたまたま1個設定金額到達で取れた場合は次2個目は設定金額まるまるかかり、確率無視で安く1個目を取れた場合はその反動が2個目にかけられる、という点では、繰り返し確率無視できる筐体でなければ2個目を取ることはお勧めしない。

なお、実は店舗によっては誰も金を入れていないはずなのに最初の100円でなぜか取れるように設定されている場合があり、それはおそらく在庫過多となっているかもしくは客を「100円で取れたから他も取れるかもしれない」などのようにゲームセンターに誘い込む罠である。具体的には、カービィの自販機のぬいぐるみなどは全国のラウンドワンにかなりの在庫数をもって展開されたからか、100円で入手できるパターンが複数回あったようである。

ちなみに確率到達したと分かる挙動があったりする。

特にラウンドワンなどで非常によく見られるトリプルクレーンはその最たる例(セカンド以降はダメ)で、確率到達時はアームがきゅっとしまった状態で、落とし口の上に来たときにアームが開くのが遅い。一部のyoutuberなどはこのことを知っているがなぜかあまり知られていないようである。

逆に確率到達していないときは、移動時にアームがぷらぷらし、落とし口の上ですぐに開く、という挙動をする。

これが分かればかなり有利にプレイをすすめることができる。

しかし気を付けるべき点として、ラウンドワンなどでは確率到達の挙動をしていても、景品を持ちあげるパワーがないときがある。これは以後延々とそのパワーのない状態を続けるので、先述の確率無視以外ではいつまでたっても景品が取れないという恐ろしさを秘めている。確率到達の挙動をしているのに景品が持ち上がらない、というのは店舗側の設定ミスで、クレーンゲームの規則上、原則返金は行えないのでただ金を延々と吸われるだけである。

また一部の筐体には、設定金額に達した場合は筐体の上に緑色のランプがつくことがある。過去あみぱらんど福山やラウンドワン盛岡で確認。これは確率到達しており、次の100円で基本的に取れるということが分かる。ただ先述の設定ミス台なども場合もあるので注意。

よってクレーンゲームの確率機は、「景品を入手した後はよほど簡単に確率無視で取れる台でない限り、別の台に移動してプレイする」のが良いと思われる。

経験上、確率機の設定は単純にそれだけではなく、例えば「エリア別」と呼ばれる「あるエリア(たいてい落とし口から遠い)にいるときはアームパワーが強いが、別の場所(たいてい落とし口付近)にいるときは弱くなる」設定、上昇中にアームパワーがどれだけ減衰するか、上昇後からの移動時にどれくらいアームパワーが減衰するか、移動エリアの設定、どこまで下降できるか(下降制限と呼ばれる)なども設定可能と思われる。

なおこれらの設定は3本爪のトリプルクレーンに限った話であり他の大きな3本爪では異なることも多い(デカクレやメガダッシュなど)。しかし確率機そのものの概念はほとんどの台で成立する。

ちなみに店舗がだいたい原価の3倍の利益(=仕入れ代1に対して回収4で利益3なので実際の設定金額は仕入れ代の4倍)を得られるように設定金額が決められていることが多い。クレーンゲームの景品はだいたい800円(最近は1000円らしいが)が上限と定められており、それに従うと景品は3200円あたりの設定となる。実際ラウンドワンの大きな確率機はこの設定であることが多い。

しかしナムコやセガ系列となるとさらに暴利をむさぼってきて、ほとんどの景品は4000円が設定金額であると考えたほうが良い。もしそれで誰かが100円で確率無視で入手しようものなら次の人は7900円かけないと取れない。したがってセガやナムコになってくると景品1個4000円とか6000円とかいうのは日常茶飯事である。よほどの限定商品でもない限り、セガやナムコに行くことはお勧めしない。ちなみにイオンやゆめタウン、フジグランに入っているのはナムコと書かれていなくてもだいたいほとんどがナムコ系列なので注意。

ナムコと判断する基準は「筐体にピンクが多い」「クレナ筐体が多い」「田舎ならばこどもの遊ぶスペースや小さめのメダルゲームコーナーがある」「店員の制服が赤と黒基調」「スウィートランド(自社製品)が多い」「卵型の景品を転がして落として行く設定」「渋い」などの特徴で慣れれば直ちに分かる。またショッピングセンター(イオン、ゆめタウン、フジグラン、アミュプラザなど)に併設されていることがかなり多い。

セガは単独で店舗を持つことが多く、特徴としては「全体的に青」「店員の制服は赤色ではない(黒だったり青だったりいろいろ変わるようである)」「白っぽい筐体が多い」「橋渡しにおいてアームが脱臼しているのかというくらいにパワーがない」「渋い」などである。

実はゲームセンターの系列はこれ以外にも「ベネクス」「共和コーポレーション(アピナ、YAZ)」「ソユー」「アミパラ」「ユーズランド」「楽市楽座(食品系多め)」「モーリー」「ドラマ(藤沢、八王子など)」「タイトー(タイトーFについてはフランチャイズという意味でありスクエニ傘下の株式会社タイトーとは異なる母体で、様々である)」「アスモ(AXE、ジョイパーク、パスカなど)」「カプコン」「アミュージアム(コナミから分離)」「ファインワールド」「倉庫系(万SAI堂、開放倉庫、万代アミューズなど)」「G-pala」「スーパーノバ」「エイトレジャー観光(タイトーFの一部、ビッグバン系列など)」「サードプラネット(あそびタウンなどもだいたいこの一種)」「レジャラン(大高や池袋など、またゲームパニックもこの系列であるが北陸で展開されるバイパスレジャーランドなどは別系列で、山崎屋系列である)」などとたくさんある。

経験から言うと、お得な系列は「ベネクス」「倉庫系」でありだめな系列は「ナムコ」「セガ」「モーリー」「ソユー」である。例えるなら前者は1000円で手に入る景品が後者は4000円以上当たり前にかかるというものである。一応ナムコの中でも敦賀や城陽などやさしめの店舗はあるが、ほとんどの店舗は厳しいので1つの景品に4000円吸われたくなければやめておくことをお勧めする。

ただし店員のサポート(景品が取れないときに取れやすくしてくれるシステム)についてはナムコやセガはある程度いきわたっており、システムとしてはしっかりした企業である。しっかり金は回収してくるが。

あとサポートをお願いしても「他の方はとれてるので」とか言い出す店舗は行かないことをお勧めする。(ex.ユーズランド倉敷、タイトー日本橋(店員による)など)

特にユーズランド倉敷に至ってはガチャガチャに入っている300円の景品が500円でもとれないのには戦慄した。これをもってユーズランド系列は嫌いになり、またみにっちゃが危険極まりないことが頭に焼き付いた。

なおラウンドワンは投資金額に対する段階的なサポート、セガ、ナムコは4000円以上の場合にサポートは入りやすく、タイトーは店舗や店員による差が大きく、ベネクスや倉庫系(橿原など除く)に至っては2000円でもサポートをしてくれるし、店員が本当に取れないかどうかちゃんと確認して再設定やサポートをしてくれる良心的な店舗。

ちなみに確率機の挙動として、確率に到達していない場合の設定が優しい順から並べると以下。

①場所に関わらず少しだけ一定距離持ち運ぶ(移動時パワーが徐々に減衰)

②エリア別で、落とし口に近くなると移動時の持ち運びがなくなってくる

この場合、上昇時まではパワーがあるので寄せる技が使えたりする。

③エリア別で、落とし口に近くなるとアームパワーが抜ける

この場合、落とし口近くになるとパワーが足りず寄せは使えず、また持ち上げる段階でパワーが弱ければ当然上まで持ち上げて運ぶこともないので厳しい。

④上まで持ち上がるが、その場で離す(移動時パワーが瞬間的に大きく減少する)

これはユニットを揺らす振り分けや、タグ入れなどでないとほぼ取れない。ただ寄せた場合は、上に行くまではパワーがある場合もあるのでそれが使えなくもないが、設定の底までよくない店で、寄せで取れたパターンは数えるほどしかない。

⑤そもそも持ち上がらない

確率に到達するまでミラクルでも起こらない限りほぼ絶対に取れなく、夢も希望もないやつ。ラウンドワンなどでたまに確率到達しているのにアームパワーがこんな感じになっている台があるが、それは設定ミスと思われる。これ系統の台はプレイしないことをおすすめする。過去ビッグクリアフィギュアを取る時に当時はまだ経験が浅く、この罠にはまって1個取るのに約15000円かかったパターンが、2,3回ある。我の最大景品はまりはタイトー八尾のスウィートランドのおもり落とし(景品は恐竜のソフビ。これを見るたびに思い出す)で、店員のサポートを何回もお願いしたが、それでも20000円越えで、近くの客が「取らせてあげてください」というレベルで、まさにこのタイトーは異次元のすさまじさを見せてくれた。なお他の設定はそんなに鬼畜ではない模様。

①の設定があれば激熱。ただしこういう設定はおたちゅうなどのかなり設定の良い店舗でたまにしか見られず、ほとんどは②③④のいずれかである。セガやナムコなど設定の悪い店舗は軒並み④、ラウンドワンは②③の設定が多い。また同じ店舗、景品でもユニットのパワーの減衰設定などが違ったりすることも多い。


また確率機にはクレーンゲーム(3本爪)以外の類も存在する。

実はセガやラウンドワンは2本爪でも設定金額に到達するとアームパワーが強くなるタイプがあるし、ドリームキャッスルも設定金額があるかは知らないが、投資していく毎にバーの移動する速さが変わったり、スウィートゴーラウンドでも一部機種は回転の角速度が小さくなっていったり、トライポッドでは当たり判定マスが増えたり、トライデッキではずれなくなったりなどする。

以下に確率機とそうでない機種(実力機と呼ばれ、運が良かったり適切にボタンを押すと使用金額にかかわらず取れる)を挙げる。意外とこのへんはあまり知られていないようである。


完全確率機で、設定金額に到達するまで原則獲得不可

3本爪、ファンファンタジア系(穴に棒刺すやつ)、ファンキーサーカス(300点以上で景品GETのやつ)、ポケットリフター系(5まで行くと景品が取れるやつ)、カリーノなど(ゲームセンター以外で、よく高額景品が賞品になっている筐体。スポンジボールを押す奴や、板を倒す奴などすべてその部類で、設定金額まで絶対に取れない)、トライデッキ(一部ずれても取れるようになっている筐体もある。ピンクの帯部分にバーをHITさせれば景品がおちるやつ)、ハンドパワー系(設定金額まで横方向にずれる)

設定金額によるゲームの難易度調整がなされるが、実力でGET可能

トライポッド(ルーレットを止めるやつ。金額投資↑で当たりマスの小枠(各マスには内部設定でわからないがいくつかのマスに分けられており、その中で当たりが1小マス分存在する)が増える)、スウィートゴーラウンド(だんだん回転角速度が小さくなる)、ドリームキャッスル(棒の移動速度が速くなってくる)

完全実力機

昔の時代のUFOキャッチャー、フック設定、穴刺し設定、スウィートランド全般、トレジャーロードなど