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2017年12月24日日曜日

加速度 ドドドンパの激しさ

ちょっと書くかも。69m,1.56秒で時速180kmになるというドドドンパ。こんな激しい乗り物に乗ったらやられるのではないかとも考えられる。実際電車の加速だと1.56秒だとおそらく秒速1mになるか(=時速3.6km)どうかなので、いかにこれが激しいかがわかる。
我はこれに乗るために、往復13時間をかけて2泊3日の富士急の旅に行ってきたのは過去に書いた。ドドドンパ運転再開を聞きつけ、なかばダッシュで乗り場へ。そして加速されてきた。
これは乗ると感動…というより、なんかおおっとなるので、乗ってみることをすすめる…わけにはいかず、意外にこれで首などを痛める人がいるらしいのでちょっと他のもので慣らしておいたほうがいいだろう。我はたぶん一番先頭で180km/hの風を浴びてきた。楽しかった。
我の感想としては、意外になんともない。やっぱり体にやさしめにちゃんと作られているのか…?

さてここでは、上に挙げた69mを1.56秒かけて時速180kmになるとき、いったい加速度はどれくらいなのか。一見、秒と時速だけで平均加速度は算出可能。では69mというのは何に役立つのか。
それをここで考察する。

まず、この1.56秒間の加速度をt(時間)に関する関数としてa[t]として表すことにする。
速度と加速度の定義から、t=0からt=1.56まで積分すると速度を得る。
時速180km=時速180000m=秒速180000/3600m=秒速50mということになる。
つまり、Integrate[a[t],{t,0,1.56}]=50ということになる。(有効数字はここでは気にしない)
次に、この間に69m進んでいる。時刻tにおける速度は、やはり上と同様の積分によって
Integrate[a[t],{t,0,t}]を得る。さて、これが時刻tにおける速度なので、さらにこれを積分することにより、移動した距離が分かる。つまりIntegrate[Integrate[a[t],{t,0,t}],{t,0,1.56}]=69
よって積分に関する方程式と、重積分に関する方程式を得る。

しかし、この方程式を解くのは難しい。そこで、ある程度予想をつけてみる。
加速度が、t^2に比例して増える(=後半に一気に加速度が増加していく=体に優しい?)の場合。
すると上の方程式を使うと、だいたい比例定数が39.5となる。となると、39.5t^2が加速度a[t]ということになる。だがしかしこれを次の重積分に代入すると…。左辺は19.5あたりとなり、全然足りない。
このようにいろいろと考えていくのだが、とりあえずa[t]=at^2+bt+cという風に考える。a[0]=0なので、直ちにc=0が判明する。つまりa[t]=at^2+btとして考えると…。
一つ目は1.265a+1.217b=50で、0.494a+0.633b=69の連立方程式を解くと、
a=-262,b=314とかいう激しいことになる。これはだいたいt=0.6で最大加速度をとる。
そしてt=1.2で再び0となり、そこからは減速していく。
実際に乗ってそんなはずがないので、2次式では表せないことが分かる。
するともうこれはだめなことが分かる。なぜならば、3次式以上になると未知数は3つ以上になる(一応定数項は0と分かるが)つまり、特定することはできない。
また、多項式でなく、CosやSinが含まれる可能性もあるが実際はテイラー展開により多項式展開が可能だったはずなので、実は考える必要がない。
しかしそうであっても、残念ながらこの方程式を解くことはできないらしい。

だがこういう考え方がある。1.56秒で秒速50mになる、加速度をこの間ずっと同じであったと仮定すると、32m/s^2であることがわかる。このとき、到達距離は38.9mとなるが、実際よりかなり小さい。
このとき、速度は比例している。その積分が足りない、ということは…。
v-tグラフのt=0からt=1.56までの面積をより大きくすればいいことになる。そのようにv-tグラフをぐねぐね動かしてみて、69になったときそれがひとつのある意味"正しい"速度のグラフになり、これを微分して加速度を得られる。しかし、やはり3次以上になると思われる話を上に掲げたとおり、ひとつに定まらない。なので、本当に加速度を特定するのは不可能、という結論に至る。

暇な人はv-tグラフをぐねぐね動かして69にしてみてそこで得られたvの式を微分してみればとりあえず分かるだろう…。

だがちょっとこれを解決するのにいい話が。加加速度と呼ばれるものがあり、これは加速度の増加具合を表す。これは意外に重要で、たとえばフリーフォールを考える。これは体に負担…はかからないはずなのだが、やはりうぉっとなる。これは、それまで1Gであったのが一瞬で0Gとなるからである。一瞬で1->0Gになるということは、この加加速度の大きさが急激にピークを迎えることになる。我も経験しているが、これはすこぶる体に良くないような気がする…。
これを勘案すれば、もうちょっと条件をしぼめられるかもしれない。
確かに我もドドドンパの加速時、本当に開始0.5秒以内は加速がゆるかったような気がしないでもないような…。これはやはり加加速度を考慮してくれているのか…。
そうだとすると、実はやっぱり富士急は優しかった、という結論に至ることができるだろう。