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2017年3月2日木曜日

モンパレ おやぶんの洞窟とスペシャルな洞窟の確率

「その話題はもうええで!と言われるのを承知で書き込んでいますが、おやぶんの洞くつSPよりスペシャルな洞くつのほうがSS当選確率高いように思います、どちらも10個投げるとして、スペシャルな洞くつはSランク以上確定枠のSS当選確率は40%であり、その他は2%なので、40+2×9=58となります、おやぶんの洞くつSPは4%なので4×10=40となり、すぺしゃるの方が確率高いような気がするのですが、この考え方間違ってますかねぇ??自分は高卒のバカなのでよく解らなくなってしまいました、どうか、もしお暇でしたらご教授お願い致します。」 という文章を発見。

これについて気になったので、実際に求めてみることにした。 まず「スペシャルな洞くつはSランク以上確定枠のSS当選確率は40%であり」部分が誤り。 これは数学的な誤りではなく、ただ単に説明を読み違えてしまっているらしい。そこは数学的指摘も何もないので仕方ない。 次。「その他は2%なので、40+2×9=58となります」ここが決定的な誤り。
これは例を考えれば分かる。各独立試行に対してその結果が独立試行の和で表されるとするならば、こんなことが成り立ってしまう。 「コインの表が出る確率は50%だ。よって2回投げれば100%で表が出る、すなわちコインを2回投げれば絶対に表が出る」 上記の文章は完全な誤りであることは想像できるだろう。実際2回投げて(少なくとも1回)表が出る確率は50%である。 そういうわけで、上記確率は積で表される。なぜかといわれれば結構難しいが…。

答えとしては、スペシャルな洞窟に10個投げした場合SSの来る確率はこれはいいたいことは「少なくとも1体SSが来る」ということであろうから、SSが1体もこないという事象の確率を 1から引けばよい。これは常套手段。 そういうわけで、1体もSSがひけない確率を計算する。SSの来る確率は総ての枠で2%と変わらない。したがって0.98^10 よって少なくとも1体SSが引ける確率は、1-0.98^10=1-0.817=0.183となり18.3%であることが分かる。 おやぶんの洞窟SPに関して、同様に考えて1-0.96^10=1-0.665=0.335となる。なので確率33.5%でSSを引けることになる。 明らかに親分のどうくつの方がSS入手確率が高いと判明。

ただこの文章で間違った結論をたたき出してしまったのは確定枠の確率を見間違えていたことによるものが大半を占めていたからであろう。 この結論ではさすがに記事を立ち上げるほどですらないので、せっかくなのでもう少し興味のあることについて確率を求めようとしてみる。
「スペシャルな洞窟に10個投げたほうが結果的におやぶんの洞窟に10個なげたよりSSモンスが多く来る確率」
この確率は期待値的にいうと確実に50%を割ることは明らかだが、実際どのくらいの確率でそんなことが起こりえるのだろうか。 この確率を計算で求めると同時に、RPGエディターと呼ばれるフリーソフトで10個投げをシミュレートして100000回ほどサンプルを取って統計的に確率を求める、 この2種類を行っていこう。それにしても確率系統でいろいろするのは待ち時間シミュレートやモンティホール問題、分布の調査以降か…。
では先に掲げた確率をもっと具体的に言う。スペシャルに10個投げて10個SSが来た場合(こんなことは天文学的低確率だが)、おやぶんの洞窟に10個なげてSSが9~0体、 スペシャルに10個投げで9個SSが来た場合、おやぶんに10個投げでSSが8~0…と各場合に分ける必要がある。
要するに、スペシャル10個投げでn匹SSが来たとき、親分に10個投げでn-p匹SSが来るという確率をn=1~10に関して各p=1,2,...nについて足し合わせるということ。
そういうわけで、スペシャルでn匹SS、親分にn-p匹SSという確率を求めることにする。 もちろんそれぞれの洞窟も独立試行なのは明らかなので最終的には両方の積をとることになる。
スペシャルでn匹でる確率。反復試行で、10Cn*(0.98)^(10-n)*(0.02)^nとなる。これは一応高校では理解しなければならないことになっている…はず。 意味的には、0.98がどこかで10-n回起こり、0.02がどこかでn回起こり、そのどこかを規定するために10cnという組み合わせの総数を掛け合わせるといったもの。 まあ高校の当時はこういった確率には苦戦させられたが…。 それを同様に親分のほうにも適用。10C(n-p)*(0.96)^(10-(n-p))*(0.04)^(n-p) 掛け合わせる。 10Cn*10C(n-p)*(0.02)^n*(0.04)^(n-p)*(0.96)^(10-n+p)*(0.98)^(10-n) これをp=1,2,...nについて足し合わせ、その後nについても足し合わせる。 すなわち
      10      n
 Σ (Σ10Cn10Cn-p(0.02)^n*(0.04)^(n-p)*(0.96)^(10-n+p)*(0.98)^(10-n))
    n=1     p=1
という計算式を得る。得たのはいいんだが計算が煩雑でもはややってられん。
そこでmathematicaの出番。数学の皇帝と呼んでもよいかな。
入力sum(10!/(n! (10-n)!)  10!/((n-p)! (10-n+p)!) (0.02)^n (0.04)^(n-p) (0.96)^(10-n+p) (0.98)^(10-n),p=1 to n)
(実際のmathematicaは頭文字大文字Sumだったりするが)
wolfram alphaというソフトで計算させるとなんとn=0,1,2,3しか出ない。
それ以上はmathematicaを買えというのか。学校にあるので買わない。
ただ、急速にnが増えると0に収束するので、値を見るにn=1,2だけでほぼ確率そのものを
表していた。なので、近似的にn=1,2のみを足すと、およそ0.124となり
(n=1で0.110861,n=2で0.0144232,n=3で0.000828222)
なんと1/8の確率で、スペシャルな洞窟のほうが10個投げでSSが多く出るということになる。

ただ、残り87.5%の確率で親分の洞窟のほうがたくさんSSがでるので、どちらがいいかなどは
一目瞭然だろう。

…で、この理論による計算の値が合っているかどうかをコンピュータで統計を取る。
この試行を100000回行った。
すると結果は、スペシャルがお得だった回数は12706回
もう一度行うと、12695回、12650回、12740回、12652回、12635回、12567回、12482回と
なったので、およそこの値は正しいことが言える。
プログラム内容は簡単。2%と4%の確率を起こし、その起こった累計で2%の方が多かった回数を記録。これを100000回行うという作業。

よって我の目的は達成された。この文章を書いた人があたかも「真」となる確率はおよそ1/8であることが分かった。